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あいつは笑うようになった。
可愛らしく。
咲矢が笑うとドキドキする。
鼓動が速くなった。
なんでこんなに苦しいのだろう。
こんなに苦しいのは初めてだ。
なんでこんな気持ちになるか
俺には分からなかった。
ー咲矢を探しに外にでる。
あいつの行きそうな場所なんか分からない…。
いや…、あいつは何か悩むと暗いところにいる。
初めてあったときも暗いところだった。
学校…暗いところ…。
「あそこか…。」
俺は走ってそこへむかった。
「やっぱりいた…。」
咲矢は座っていて、そのまま
俺を見上げた。
目が赤い。
泣いていたのか…?
「なにしてんだ。なんで帰ってこない。」
返事がない。
「まったく。ほら、話は後だ。
帰るぞ。」
俺は咲矢の手をひいて家へむかう。
家についても
咲矢は顔を下げたままだった。
「どうした?なんかあったのか?悩みでもあるのか?」
「…。」
黙ったまま何も言おうとしなかった。
「…俺のこと嫌になったか?」
「…っ!違う!!」
咲矢は顔をあげて叫ぶ。
「違う…。そんなんじゃない…。」
違うと言われてほっとしてる俺がいた。
むしろ嬉しいと思った。
「じゃあなんで…?」
ゆっくり…聞いてみた。
「…僕は…。」
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