【6】

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え?神崎…? 「何してんの……神崎」 何で…何で庇ったりするの? 僕なんか放っておいてって言ってるのに、何で……! 「大丈夫ー?ひーちゃん。どこも痛いところない?」 「そんなことより、神崎、顔腫れてる…」 そんな心配そうな顔で見ないでよ…。 自分の方が怪我してるのに、なに僕の心配してんの? 「ひーちゃん…また泣きそうな顔してる」 ……! 「してないっ!変なこと言わないでっ!」 何故だか自分でも驚くくらい必死で否定してしまった。 これじゃあ、認めてるようなものじゃないか。 「でもひーちゃん…」 神崎は、また僕の名前を呼びながら頬に手を添えてきた。 「俺の怪我のこと心配してくれたんだよね?」 なんで殴られたのにそんな嬉しそうな顔してんの? 「そ、それは神崎が僕のことを庇ったせいで怪我をしたからであって…。だからそれは心配っていうより罪悪感みたいな……」 「でも心配してくれたんだよね?」 「だからそれは……」 何?神崎のこの有無を言わせない感じ。 「よっし!」 だから何で喜んでんの、ガッツポーズまでしちゃってさ。
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