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え?神崎…?
「何してんの……神崎」
何で…何で庇ったりするの?
僕なんか放っておいてって言ってるのに、何で……!
「大丈夫ー?ひーちゃん。どこも痛いところない?」
「そんなことより、神崎、顔腫れてる…」
そんな心配そうな顔で見ないでよ…。
自分の方が怪我してるのに、なに僕の心配してんの?
「ひーちゃん…また泣きそうな顔してる」
……!
「してないっ!変なこと言わないでっ!」
何故だか自分でも驚くくらい必死で否定してしまった。
これじゃあ、認めてるようなものじゃないか。
「でもひーちゃん…」
神崎は、また僕の名前を呼びながら頬に手を添えてきた。
「俺の怪我のこと心配してくれたんだよね?」
なんで殴られたのにそんな嬉しそうな顔してんの?
「そ、それは神崎が僕のことを庇ったせいで怪我をしたからであって…。だからそれは心配っていうより罪悪感みたいな……」
「でも心配してくれたんだよね?」
「だからそれは……」
何?神崎のこの有無を言わせない感じ。
「よっし!」
だから何で喜んでんの、ガッツポーズまでしちゃってさ。
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