鬼ごっこであの世行き

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『バシャバシャしてたから気付かなかったんです。それに土方さんの先祖は河童だから、呼べば川からも来るかなって。』 「あ゙?」 『冗談ですよ、冗談。そんなに睨まないで下さい。』 自分の顔がシャレにならない程怖いって事に気付いてないのかな。 『ね、左之さん。』 自分の周りをぐるぐる回っているうさぎに声をかける。 「お前も全部口から出てるって事に気付いた方がいい。」 『ヒィー!!!』 耳元で呟かれ、持っていた褌手拭いをボトッと落とす。 「これ借りるぞ。俺も体洗いてぇから、ちょっと待ってろ。それからそいつは食い意地張ってるみてぇだから、ちゃんと見張ってろよ。」 土方はそれだけ言うと、立花が落とした褌手拭いを拾って川の中へと入っていった。 『あー…ビックリした…』 着物もいつの間にか脱いでたし。
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