鬼ごっこであの世行き

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「お前のせいですっかり遅くなっちまったじゃねぇか。」 『私は首しか洗ってません。』 遅くなったのは間違いなく土方さんのせいだ。 左之さんに危害が加えられたら嫌だから言わないけど。 「にぃにー!ねぇねー!」 もうすぐ洞穴という所でタロが飛び付いてきた。 「お、タロ。どうした?一人か?」 「うんう。チチもー。」 タロは洞穴の方角を指差す。 「親父来てるのか。ちょうどいいな。訪ねる手間が省けたぜ。」 『そうですね。』 ほんの少しの時間短縮でも今は有り難い。 「やっと帰ってきたか。どこまで行ってたんだ?」 タロ父が笑顔で出迎えてくれた。
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