鬼ごっこであの世行き

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『はいぃぃぃぃ!!?ち、違います!この子は食べ物じゃなくて、左之さんです!!』 「左之さん?」 『あ、左之さんと言うのはですね、ものすごく優しくてかっこ良くて…。うふ。最っっ高に素敵な人なんですぅぅぅ。』 立花はうさぎを抱きしめながら、デレデレくねくねする。 「そうか…。名前をつけてしまったか。なら、もう食えないな…」 タロ父は残念そうにうさぎを見つめる。 『……………。』 「わはははは!冗談だ、冗談。そんな目でわしを見つめるな。」 『冗談には聞こえなかったんですけど…』 「わはは。許せ。ところで、左之さんというのが娘さんの惚れた男なんだな。」 『はい。』 「ふむ。よほどいい男のようだな。」 タロ父は照れたようにはにかんでいる立花に優しく微笑む。
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