国取りゲーム

第一話:選出

「結局、俺達だけだなぁ！ガクよ！」

「そうですね
皆をこのゲームから解放してやる為にも、俺達が勝たないと！」

「闇討ちが禁止なのが救いよね」

「あとは、こっちは相手を捕縛するだけでも良いってルールだ
それも助かるね」

国取りゲームには二種類あり、大まかに言ってしまえば将棋とチェスだ

角飛達三人がいるのは、言わば将棋

戦いで勝利した場合、敗北者を自らの陣営の仲間にする

無論、その戦いで敗北者が死亡する場合もある

もう片方の場合、相手を殺さなくてはならない

勝敗の決し方も、どちらがキングを殺すか

つまり、チームリーダーを殺すか殺されるかだ

リーダーを殺されたチームは敗北となる
こちらには、捕縛ルールは無い

敵を殺す事しか出来ないのだ

「兄さんは、どっちで死んだのかな？」

「美咲・・・」

「勇咲(ユウサク)さんは、最初はこっちだったんじゃないか？
聞いた事がある

将棋フィールドと呼ばれているこの場所で、一定の条件を満たした者だけがチェスフィールドに進めるとな

強制的にチェスフィールドに送られる者は、こちらでの禁止事項を犯した者だけだがな」

「一定の条件を満たした者？
禁止事項を犯す他にも、あっちに行く事があったなんて」

「まあ、そっちは本人が希望した場合みてーだがな」

「兄さん・・・」

「大丈夫！勇咲さんの事も、きっと何か分かるよ！
俺達がクリアする前に！」