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教室は、入学式が始まる前と比べてだいぶ騒がしくなってきた。
堅苦しい校長の挨拶や生徒会長の言葉を真面目に聞いている生徒なんて、ごくわずかだったんじゃないかと陽華は思っている。
最寄りの中学からほとんど持ち上がりのようにやって来た生徒たちは、別の中学から来た人たちともうすっかり打ち解けあっている。
「ねぇねぇ、どこから来たの?」
「あ、結構遠いんだ~」
「私その辺に友達いるよ!西川って知ってる?」
「え、そいつ俺の元カノだ」
「まじでー!?」
どうやら、陽華のクラス自体、気さくな人間ばかりで形成されているらしい。
あっという間に、友達の輪ができている。
入学式が終わってすっかり気が緩んだ陽華は、教室の端で結衣と談笑していた。
「結衣、お弁当って持ってきた?」
「持ってきてないよ、いらないって書いてあったじゃん」
「あ、そっか。ごめんごめん」
「陽華ってたまに抜けてるよねー…ん?陽華、あれなんだろ?」
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