第1章

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2 僕の携帯が振動を始めた。 「はい、黒住です」 「ああ、黒住君か。僕だよ。松本だよ」 「何だ。君か」 「おいおい、何だとはひどいじゃないか。益岡さんからだと思ったのかい?」 「いや、そういうわけじゃないけど。北署の原警部かなと思ったのさ。ところで、用件は何だい?」 「今夜僕の家で、クリスマス・パーティーをやろうと思うんだ。それで、もし時間があれば、君にも来てもらえたらと思ってね」 「わかったよ。行くよ。何時から始めるんだい?」 「夜7時から始めようと思うんだ。でもその前に、部屋の飾り付けがあるから、出来たら少し早く来て欲しいんだ」 「いいよ」 「それじゃ、待ってるよ。あっ、それから益岡さんも招待してあるからね」 松本君は意味ありげにそう言うと、電話を切った。
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