第1章

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4 母が帰って来たのは、昼近くになっていた。 僕は、松本君の家でクリスマス・パーティーがあることを話した。 一時止んでいた雪が、また降り始めていた。 午後5時、僕はガレージへ行き、レッドのホンダCB125Jのキーを入れた。 松本君の家へ着くと、女中がすぐに三階へ案内してくれた。 松本君の部屋へ行くと、松本君は益岡さん達と、クリスマス・ツリーの飾り付けをしているところだった。 「黒住君、遅かったね。みんなもう来てるぜ」 松本君が言った。 「そうかい。でも、女の子ばかりじゃないか」 「みんな早くから来ているのよ。でも男の人ったら、ビリヤードに行ったまま、帰って来ないのよ」 益岡さんは、抗議めいた口調で言った。
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