Chapter2《真実は時に悲しくて》

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「うそ、でしょ…。あれは…、演技、してた…?」 「………ゆ、ゆめ?」 息が止まってしまったように苦しい。 何で、そんな事をしたの? どうして何も言ってくれなかったの…? 今までの記憶と廉くんの顔が、頭の中で騒いで、混ざり合った。 「……あぁ、あ…っ!」 「…っ!待ってゆめ!!」 気がついたら、教室から飛び出していた。 走った先は、思い出の桜並木。 桜を見つめながら、涙がぽろぽろ溢れて止まらない。 もし林花の話が本当だとしたら、廉くんは心臓病にかかっている事を知られないために、わざと別れを告げた事になる。 私のために、廉くんは遠い国へと旅立った。 辛い思いをさせたくないから…。 自分のせいで苦労する私を、見たくないから……。 「…いよ……、ずるいよ…っ、廉くん…!」 桜の木の前で泣き崩れ、今はアメリカにいる廉くんを想う。 どんな思いで、「別れよう」って言ったんだろう。 悲しい。悲しくて堪らない。 桜の花びらがそれを憂うかのように、儚く散っていく。 ねぇ、廉くん。 教えてよ…。 この気持ちはもう、捨てるしかないのかな……。 その答えは、廉くんも分からないかもしれない。 ただ、廉くんにまた会いたい気持ちは、本当だった。
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