6人が本棚に入れています
本棚に追加
どうしよう。どうすればいい?
私の心は進めなくなった。
もうすぐ完全に停止する。
お父さんがいなくなって、どうすればいい?
それは殺意と焦燥の混ざった後悔だった。
どうしてお父さんは死んだの?
昨日ケンカしてしまったばかりなのに。
まだ謝ってもいないのに。
誰が、
誰が 、 殺した の ?
考えられる人物。
昨日までケンカしていた人物。
私?
ううん、まだいる。
私の父親と、私よりずっと一緒にいる人物。
私が、父より恐れている人物。
私より、ずっと父とケンカしていた人物。
かつて父と永遠の愛を誓い、その結晶として、私を産み落とした人物。
昨日もケンカしていた。
父がまた飲んだくれたから。また女の人と一緒にいたから。
きっと望みをついに叶えたのだろう。
脳裏を走る、“彼女”の言葉。
それは父との口喧嘩の後私に愚痴って言う、いつもの憎しみ。
『本当は大好きなの。愛してる。本当よ。けどね、だから、』
続く言葉は、ただの冗談だと、感情が勝手に紡ぐ、ある種ではものの例えだと思っていた。
最初のコメントを投稿しよう!