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「…。」
総矢「…。」
大人しくされるが侭に騒がしい食堂を出たはいいが…。
「…。(気まずい)」
無言の侭、何かに取り憑かれたかのように黙々と歩く総矢に何故か言い様の無い気まずさを感じた。
「なぁ、どうしたんだ?」
総矢「…。」
「おい、答えろよ」
総矢「…。」
何度か問い掛けていれば何時の間にか自分達の部屋についていた。
部屋に入れば立ち止まった侭動かない相手に痺れを切らし強めに問い掛ける。
「いい加減にしろ、何で答えないんだよ」
俺の苛立ちに気付いたのか総矢は顔を俯ければぽつりぽりつと話し始めた。
総矢「あんな奴の手…叩いちまえばいいだろ」
「は……?」
総矢「俺が入らなかったらずっとあのまんまだっただろ」
「ああ…。」
何を言われてるか解らず首を傾げるが2度目の言葉で意味を理解出来た。
だけど、仕方ないだろ…。
「仕方ないだろ、俺は不名誉ではあるがぶりっ子総隊長なんだから…あいつらの前でそんな態度取れねえよ」
総矢「分かってるけど…。」
「本当はお前の行動もやばいと思うけど、なったからには諦めるか」
総矢「それは、悪い。まあ後悔はしてねえけど」
拗ねたように顔を背け不貞腐れたような面をしている相手にため息を吐けば聞こえたのかびくりと肩を震わせ
「…。(何がそんなに怖いんだ)」
総矢「…もっと、嫌がれよ」
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