第1章 首なし

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とある公園、一人の男がブランコに座っていた。 「はぁ」 男はため息をつくばかり。バスに乗り遅れてしまい、タクシーも捕まらない。大事な会議まで、後10分。とても間に合わない。 「どうすっかな」 こうなれば、仮病でも使うかと思い、携帯電話を取り出すと、 「ねぇ」 突然、後ろから声が聞こえた。振り向くと、17,8才ぐらいの少年がいる。だが、何かが違う。 「それ僕の頭?」 少年は変な事を言い出す。よく見ると、目玉が飛び出ており、首が少しずれている。 「あぁぁ……」 大きな声を出せばいい、早く逃げればいい。頭では考えているが、何故か体が動かない。 「まぁいいや、また試せばいいし」 そう言った瞬間、男は空を見ていた。 少年は古い頭を取り外し、新しい頭を取り付けた。 「なんか違う」 頭を左右に動かすと、首がずれていく。 「これも違うか」 少年は新たな頭を探しに、茂みの奥へ消えていった。
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