0人が本棚に入れています
本棚に追加
今、思うと彼はモテるだろう雰囲気をしていて私だけが彼を好きなはずがなかった
彼は背が高くて運動神経がずば抜けていた
野球、短距離走、マラソン、跳び箱、鉄棒…
彼は何でもできた
頭は悪かったけど。
いつも笑っていてクラスの盛り上げ役みたいなタイプの男の子
顔も結構カッコよかったと思う
そんなときだった
あの日は太陽の日差しが強い夏の日だった
私の給食の班では自分の好きな人という話題で盛り上がっていた
私の後ろの席に座る男子とその男子の隣の席に座る私の親友、町田美桜がこっそりと自分の好きな人を発表した。
と言っても美桜の好きな人は知っていたし美桜の隣の男子はいないという答えだったけど
『ヒカルは?』
『え?』
『ヒカルの好きな人は?』
彼は率直にけれど少し恥ずかしそうに聞いてきた
『私?』
『…ヒカルは誰が好き?』
『い、いないよ!』
私は言いたくないなくて必死にいないと言った
『うそだ、教えろよ』
『いないよ!じゃあ、シュウはいるの?好きな人』
『…うん』
小野寺秀
シュウは私の隣の席に座る男の子だった
シュウとは小学校一年生の頃から
ずっと同じクラス
最初のコメントを投稿しよう!