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透き通るような青い花
少女は綺麗だと目を輝かせて言った
狼は少女に似ていると思った
少女に似ている花をくわえて
少女の元へと走る
ずっと独りだと思ってた
そんな世界を崩してくれた少女へ
少女の家の前
息を切らし遠吠え繰り返す
少女に会うため
少女に花を渡すため
狼の声に気付いた少女
嬉しいそうに窓は開け微笑む
そして走る
狼の元へ
打ち出された銃弾
少女は倒れこみ
狼に手を伸ばす
胸から溢れ落ちる命
狼には止められなかった
少女に花をたむけ
狼は林を走る
はじめて涙を溢した
はじめて愛した
はじめて悲しい遠吠えをした
月日が流れ
狼は崖の上
ひどく悲しい声で
遠吠えを繰り返す
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