始まりの街

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『浅葱ー、ごはんよー!早く来なさい』 『はーい。今行くよ。』 軽く身支度をして食卓へつく。 『今日は葱チャーハンに長葱の味噌汁、ねぎサラダよ』 『うわー。葱ばっかだね』 『当たり前よ!旅立ちの朝だものっ』 俺の国には変わった風習がある。勝負事の前や旅立ちの安全祈願に葱を食べるのだ。 なんか、十数年前に国を滅ぼしかけた魔王を勇者が長葱一本で倒したとかなんとか… ほんとかどうかはわからないけど、とにかくそれから何かしらんけど葱が異様に崇められてるらしい。 …俺の名前がどっかの野菜みたいなのもコイツのせいだ。
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