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『…ここが馬車乗り場かぁ。』
街の北西にいちだんとデカい門がそびえ立っている。
この街の唯一の出入口だ。ここは16歳になるまで近づくことも許されない。だから来たのは初めて。
旅立つものはここからまず王都を目指す。王都でこれからの旅に必要な『武器』を調達するのだ。
『俺にぴったりの武器って何だろうなぁ♪』
期待に胸を膨らませながら入口で身分証を提示し、門をくぐる。
ここから先は大人の世界だ。
街では見掛けることのなかった兵士や戦士達がここから先には普通にいる。
門をくぐると右手前方に駅馬車の乗り場が見えた。そこからぐるりと駅を囲むように露店が並んでいる。
そーいえば、駅馬車の周辺はいろいろな街の人が行き交うから商人達が露店を出すのだと聞いたことがある。
『結構、広いんだなぁ。』
ぐるりと見渡すと、街の中とは違う外の世界を感じた。一番の違いはやっぱり服装。皆、鎧や防具を身にまとい腰にはそれぞれの武器を…
武器を…
…ん!?
………あの兵士…なんで腰に長葱差してるんだ?
はは。まさか…お守りとか?
いや、うん。きっとお守りだろう。やっぱ魔王は葱が嫌いなんだよ。たぶん。
それか、流行ってんだ。葱持ち歩くのが。きっと…。
うん。きっとそうだ。
普通に考えて長葱が武器なはずはないっ
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