1章:狐と老巨人

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「姉さんは相変わらずね」 「ホント勘弁して欲しい…」 「やっくんねぇ…」 九狐はまた吹き出す。 「九狐!」 「ごめんごめん」 笑いを堪えながら謝る。 窓から空を見ると既に白み始めていた。 「そろそろ、休もっか」 「そーだな」 九狐がググッと身体を伸ばす。葵衣もそれに倣い身体を伸ばす。 「リリイ!そろそろ寝るわぁ!葵衣もね!」 遠くから、はぁい!という声が聞こえる。 「リリイも律儀だよな。俺らが寝るまで絶対寝ないんだから」 「そうねぇ。まぁ、あの子はそれに生きる活力を見出してるのかもねぇ」 扉が開き「用意出来ましたぁ」とリリイが入ってくる。 「そ。じゃあ、おやすみ~」 もう一回九狐は伸びをし、リリイの肩を抱き部屋を共に出た。 「あいつの“女”好きも相変わらずだよなぁ…」 少し呆れ顔で九狐が閉めた扉を見ながら呟くのだった。
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