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「姉さんは相変わらずね」
「ホント勘弁して欲しい…」
「やっくんねぇ…」
九狐はまた吹き出す。
「九狐!」
「ごめんごめん」
笑いを堪えながら謝る。
窓から空を見ると既に白み始めていた。
「そろそろ、休もっか」
「そーだな」
九狐がググッと身体を伸ばす。葵衣もそれに倣い身体を伸ばす。
「リリイ!そろそろ寝るわぁ!葵衣もね!」
遠くから、はぁい!という声が聞こえる。
「リリイも律儀だよな。俺らが寝るまで絶対寝ないんだから」
「そうねぇ。まぁ、あの子はそれに生きる活力を見出してるのかもねぇ」
扉が開き「用意出来ましたぁ」とリリイが入ってくる。
「そ。じゃあ、おやすみ~」
もう一回九狐は伸びをし、リリイの肩を抱き部屋を共に出た。
「あいつの“女”好きも相変わらずだよなぁ…」
少し呆れ顔で九狐が閉めた扉を見ながら呟くのだった。
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