1章:狐と老巨人

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翌日。九狐は慌ただしい声に起こされた。 「九狐!!九狐!!」 「なによ……もう…」 身体を起こし、苛立ちの視線を声の主である燕尾服の葵衣に向ける。 「なんで、全裸なんだよ!!」 「それが用件なら、出てって。寝るから。」 「前を隠せ!前を!そしたら話すから!」 赤面している葵衣の言う通りに露わになっている、思春期男子卒倒間違いなしの2つの果実をシーツで隠す。 「タスラムが攻めてきた。今は陣を敷いているだけだが、いつ攻撃が始まるから分からん。 話し合いで決着を着けるんだろ?なら、早く来い!」 「この格好で?」 「服を着てだ!!」 そう言うなり、葵衣は扉を閉め出て行った。 「なんですかぁ…」 ふわぁと呑気な欠伸をしながらリリイが目を覚ます。 「リリイ、服を着て。急がないとヤバいみたいよ」 2人が服を着て、部屋を出ると、城内は既にパニックだった。
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