序章:狐と幼なじみとメイド

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「最近、どうなの?他の2国の動きは?」 九狐がコーヒーを飲みながら葵衣に尋ねる。目の前にあった書類の山は無くなっていた。 「タスラムとミョルニルか?」 世界は今、3つの国とその他、地区と島とで構成されている。 1つは、地底世界最大の勢力を誇る『タスラム王国』 もう1つは、飛ぶ鳥を落とす勢いで勢力を拡大している『ミョルニル軍国』 3つ目は、小国家を吸収し、勢力を拡大している、天伊 九狐率いる『ヤグルシ連邦』である。 「大して変わりはないんでねーの?タスラムが戦争を仕掛けそうとかくらいだろう。」 書類を書く片手間に葵衣は答える。 「そっかぁ。 あ、そういえばマリアンヌは上手くやってるかな?」 「カンタルに傭兵の増員依頼だっけ?」 「そう。あれ上手くいかないと戦争で負けちゃうわぁ」 カンタルとは、ならず者達が蔓延る『カンタル傭兵地域』の事である。 社会からのはみ出した者などを捕まえ、傭兵として訓練、統率をしている所である。 カンタルは中立地区としてどこにも属さない。が、変わりに戦力となる傭兵の派遣を行っている。
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