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「こちら、九狐。マリアンヌ、聞こえる?」
九狐が杖に呼び掛ける。
「こちら、天伊 九狐近衛部隊『文絵』部隊長のマリアンヌ。感度良好です。」
杖から若い女の声が返ってくる。
「了解。で、どうだった?ミカエルとの交渉は難しかったんじゃない?」
「えぇ。ですが、傭兵部隊の増援は可能の事です。」
「おお!今どこにいるの?」
「カンタル傭兵地域です。ミカエル様に代わりましょうか?」
「うん。そうして頂戴」
少し待っていると
「九狐、俺だ。」
ピリッと締まった男の声が杖から発せられる。
「ミカエル、サンキューね」
対して九狐はフランクな感じで杖に声を投げる。
「別に。俺は反対だったんだがな。」
「ん?じゃあ、なんで?」
「それは――「それは、私が許可したからっさ!きゅーちゃん!」
どこか品を感じさせる女性の声が返ってくる。
「その声は姉さん?」
「そう!姉さんこと、神唄 奈野(カミウタ ナノ)おねーさんさっ!」
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