フウソウ

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▽△▽△▽△▽△▽△ [風を、さがしに行きたい] 少女は突然そう言った 周りの大人は驚いて 少女を見下ろし、そして笑った どこに探しに行くのか、と いつでも外でふいている、と 笑われて 笑われて 少女は黙ってそこを離れた [あの日の風を、探したい] 少女は静かにそう言った 周りの家族も驚いて 少女を見下ろし、そして嗤った どこにもある訳ないだろう、と そんなことに意味などない、と 嗤われて 嗤われて 少女はうつむいて外へ出た [同じ風はもう、ふかないの?] 少女は小さくそう訊いた 傍にいた少年は驚いて 少女を見つめ、そして微笑った そんなことはないのだ、と 同じ風はまた ふくのだ、と いつかまたここへ 待つ人のもとへ きっと帰ってくるのだ、と ふわりと髪をなびかせた その風の温度、匂いに音に 少女は思わず笑顔になった 少女は今でも待っている いつかの風が、ふくときを ▽△▽△▽△▽△▽△
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