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驚いて、反射的に目を閉じていたようだ…
恐る恐る目を開くと辺りの景色は雪の吹きすさぶ、さっきまでの夜空に戻っていた。
「あ……あ!?、カリム!」
雪を掻き分けカリムの元へ向かう…
俯せになったカリムは、半分以上が雪の中に埋まっていたので、智恵が小さく炎を吐いて雪を溶かしてやる。
俺は俯せになったカリムを抱き起こして顔を上に向けると、呼吸を確認した。
「ほっ……大丈夫。生きてる。」
心配顔でカリムを見る智恵に頷くと智恵も胸を撫で下ろす。
「とにかく帰ろう…
空気でトンネルを作るから、智恵はカリムを運んでくれ。
俺は薪を回収してくる。」
「了解!ヒロ…気をつけてね?」
俺は一度、大きく頷いてから呪文を唱えた。
「“エアロシェルター”」
ビュウッ
これで空気の渦が家まで延び、雪が積もるのを防いでくれるはず…
「“フロート”
よし、行ってくれ!後から行く」
カリムに呪文を掛けて運び易くしておいてから、俺は薪を回収に向かった。
智恵はフロートで浮いたカリムを引っ張って、家に向かう。
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