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((大丈夫だ弘輔。チエは凍死などしない…とにかく中に…))
いつの間に糸を耳元に延ばしたのか、ガイの声が聴こえた。
そういや、こいつが居たんだ。
「大丈夫だって!?
中身が母さんになったからって、身体はまだ5才児だぞ!?無茶苦茶だ…
捜索するのに便利な呪文は無いのかよ?、ガイ…」
((有るには有るが…チエの行き先なら、だいたい検討は付く。
だが、今行ったら返り討ちに会うだけだぞ…))
「返り討ち!?
ガイ…何言ってんだ?何に返り討ちにされるって言うんだ?」
まさか何者かに攫われたのか!?
((チエに…だ。))
「「はあ!?」」
智恵と二人で同時に鞘を見た。
智恵も俺の心を読んで、ガイの声を聞いていたらしい…
「なんで…チエが!?」
「そうよ!誰かに攫われたの!?」
((攫われた…か、あながち間違いでは無い。しかし正確には逃げたのだ。貴様達を護る為にな…))
「護る…って、何から?」
((チエ自身から…だ。
それはつまり、チエがエーテルの生まれ変わりだからなのだ…))
俺と智恵は言葉を失い、愕然としていた…
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