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水平線の辺り…
何処からが空なのか、ハッキリとしない遥か彼方で水面が揺れる。
ドドドドドドド…
地鳴りの様な響きがして、俯せになった態勢の俺達の腹を伝い、内蔵が震えるのを感じた。
水平線に見える影は、まだ遥か彼方だ…地鳴りだと?
体中の血液が一気に心臓に集まったような感覚がして、顔からは血の気が引く。
「しまった!後ろを取られたぞ!カリム!小隊を連れて村に戻れ!
ハサウェイは、俺と一緒に海から来る敵を迎え撃つ。
ピノは砦に伝令!急ぎ村に増援を遣すように、リハク隊長に伝えてくれ!」
「「「了解!」」」
俺の周りに居た三人は即座に返事をし、行動を開始した。
ハサウェイを除く二人が馬に跨がり、それぞれ目的の方角に走り去って行くのを見届ける。
カリムは後ろに控えていた弓小隊30人を率いて、土煙りを上げながら村に向かって行った。
「キラ隊長!…来ました。」
右側に居たハサウェイに声を掛けられ、海を見る。
月明かりに照らされ、無数の影が宙に舞う。最早、水平線を見る事は出来ない…それだけ近いとゆう事か。
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