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「ハサウェイ…悪いな?」
強張る顔を歪ませるようにして何とか笑顔を作ったつもりだが、上手く笑えたかは自信が無い。
「ハハッ…隊長とご一緒出来るなら、あの世とやらも悪くない気がしますよ。」
ハサウェイの笑顔も引き吊っている…笑顔というより泣き顔に近いな。
バサバサと乾いた羽音をさせながら、敵はもう手が届きそうな程、近づいていた。
「撃て!」
俺が掠れた声で、たった一人残った部下に告げる…
ブチッ
ハサウェイは足元に杭で繋がれたロープを、短刀で切り落とした。
バシュンッ
シュシュシュシュシュシュシュシュ…
切られたロープが勢い良く、後ろの防風林に吸い込まれると、代わりに仕掛けておいた弓矢が飛来してきた!
弓矢が風を切る頼もしい音が聴こえてきて、それらは一直線に海の上を飛ぶ敵に向かって行った。
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