4/30
前へ
/423ページ
次へ
「ハサウェイ…悪いな?」 強張る顔を歪ませるようにして何とか笑顔を作ったつもりだが、上手く笑えたかは自信が無い。 「ハハッ…隊長とご一緒出来るなら、あの世とやらも悪くない気がしますよ。」 ハサウェイの笑顔も引き吊っている…笑顔というより泣き顔に近いな。 バサバサと乾いた羽音をさせながら、敵はもう手が届きそうな程、近づいていた。 「撃て!」 俺が掠れた声で、たった一人残った部下に告げる… ブチッ ハサウェイは足元に杭で繋がれたロープを、短刀で切り落とした。 バシュンッ シュシュシュシュシュシュシュシュ… 切られたロープが勢い良く、後ろの防風林に吸い込まれると、代わりに仕掛けておいた弓矢が飛来してきた! 弓矢が風を切る頼もしい音が聴こえてきて、それらは一直線に海の上を飛ぶ敵に向かって行った。
/423ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16人が本棚に入れています
本棚に追加