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「ギャッ!?」
一番近く来ていた敵から、短い悲鳴が聴こえると、そのまま海に落下していくのが見えた。
他にも数匹が落下してゆく…
雲から雨が落ちるように、黒い影が海に向かって落ちて行った。
それでも空には、まだまだ無数の影が浮かんでいる。
ゴウッ
一瞬、真昼を思わせる明かりが灯り、それはこちらに向かって延びて来た。
「よし!食いついた!
ハサウェイ!地獄で会おう!」
バッ、バッ!
俺達は左右に別れて走り出す。
走りながら、ハサウェイが呪文の詠唱を始めるのが聴こえてきた。
あれは確か…
"フロート"の呪文だったか?
敵のドラゴンの吐き出す炎を躱しながら、断崖に沿って走っていると体がフワリと軽くなるのを感じた。
「“フォール”!」
ハサウェイが落下の呪いを敵に掛けたのを遠目に確認しながら、俺は背中の大剣を抜き打ちざまに、地面に突き立てて叫んだ!
「“バースト”!」
ズカッ!
ドドドドドドドドドドドドドド…
剣を突き刺した地面に亀裂が走り、崖が崩落を始めた。
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