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「ありがとうございましたー」
ちょうど欲しかった本が置いていて、少し気分が良くなった。
早く読みたいから、少し早足で家を目指す。
そして、私が本屋に向かって引き返した交差点に来た瞬間だった。
けたたましい警笛と共に、暴走トラックがこちらに向かって突っ込んで来たのだ。
何も無ければ、避けれていた。
私の隣を、7歳くらいの男の子が歩いていたのだ。
トラックの進路からして、男の子のいる方にしか避けられない。
だけど男の子が邪魔で、私は避けられない。
ならせめて――
「せめて君だけでも、助かって……! 」
ドン と男の子を突き飛ばす。
直後。
すさまじい激痛と共に、私の視界は紅く染まって――
そして、暗くなった。
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