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帰りの電車の中、私はせっせとスマホを弄ってた。
何してるって、ただ帰りの時間を検索してるだけ。
まさかね、友達のいる前で『星の王子さま』をやるわけないでしょ。やってるところを見られたらそれこそ学園生活も終わりだもん。
それじゃあなんで帰りの時間を調べてるのかって。
『星の王子さま』にログインできるのは何時くらいかなって、ちょっと疑問に思ったから。
そしたら取り合えず十一時頃には入れるみたい。やったね、今日の特典がギリギリ貰える。
「自分好みに王子さまを作れる」って言う特典。私にとっては最高のクリスマスプレゼントだね、ありがとうサンタさん……じゃなくて運営さん。
そうして私はスマホをスリープモードに移した。
「ねぇ、めぐみ?」
「なに、ありすちゃん」
「なんか今日ずっと時間気にしてるけど、もしかして用事とかあったの?」
おっと鋭い。流石は男子にちやほやされるだけの事はあるね。心を見透かされてるみたい。
「う、ううん。別にないよ。それより今日は凄く楽しかったね! 特に最後のパレード。私なんて思わず写真とっちゃったもん」
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