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丁度昨日のことなのだが、自室で理兎と一緒にテレビを見ていると、俺の携帯の電話にワンギリで着信が入った。
ワンギリする奴なんてアイツしかいないと思い、携帯を開き電話をかける。
プルr「奏汰!?」
いつものように一瞬で出るその人物。
俺の名前を呼ぶ声がうるさく、携帯から耳を少し離した。
奏汰「…はい。どうした?」
?「まったくー久々なのに冷たいなぁ~!前みたいにパ・パって呼んで♪」
…そう。
認めたくないが、俺の父親の蒼樹 尚央-ナオチカ-。
天真爛漫でリーダーシップもあり、ドイツでも日本でも友達が多い。
だが、テンションが常に高く、流石に煩いと感じる時がある。
だが、とても信頼している父親だ。
奏汰「はいはい。それで、何の用だったんだ?」
すると父親はそうだった!と思い出したように声を張った。
尚央「単刀直入に言うと、明日から家にちょっと帰ってきてくれないか?」
明日は土曜日。
丁度学校も休みで、暇していたが…
家に帰ってきてほしいってことは
何かあったってことなのだろうか。
そう考え、父に問う。
奏汰「いいけど…どうしたの?」
すると父親は嬉しそうに
尚央「あのな、明日はシエナと旅行にいくことになったんだ~」
と、照れたような口調で告げた。
シエナとは俺の母親のこと。
正真正銘、ドイツ人だ。
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