明けない夜はない…の?

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彼女は… 楽しそうに、俺の手を引っ張って買い物をした。 でも、買ったものは、 俺の夏のシャツに、麻のジャケット。 俺の部屋着に俺のパジャマ。 俺の靴に俺のベルト… それに…俺の財布… 「お財布は、くたびれたら、良くないのよ!」 と… あと、広海のスーツ。 明日、結婚式に帰って来るから… 結局…彼女は、自分のものは、何一つ買わなかった。 「知恵の、何も買ってないよ…」 忘れてるのかと聞いたら、 「いいの。もうすっきりした。 ねぇ、お腹すいた。おいしいもの食べたい!」 結局、何も買わなかった。 もう…知恵…おまえは…
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