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次の日、俺は、月光館学園にいた。
さっきから校長の話が長ぇ……。
今日から、俺も高校3年。
始業式くらい出ろと、先公から言われて来てはみたものの……校長の長話のレベルが上がっているとは思ってもみなかった。
寒気と眠気がツライ。
しかも、さっきから《死神》がウロチョロして苛つく。
「んー?いいじゃねぇか。誰かに見つかる訳でもないし……」
そういう問題じゃねえんだよ。
「わー……。目付きが怖ーい」
……うるせえ。
「校長の話も終わったみたいだし、オレは散歩に行ってくらぁ」
…………。
あっという間に居なくなる。
《死神》がいた辺りを見てみるが、特に変わった物は無い。
転校生がどうだの、こうだのと聞こえはするが、俺には関係ない。
関係ない……と、思う。
「…………?」
「あ、荒垣くん…?もう移動だよ」
「あ、ああ……」
隣に座っていたクラスメイトに促され、軋む体に耐えながらゆっくりと立ち上がった。
昼過ぎには始業式は終わった。
向かう場所は決まっているが、散歩ついでに寄り道をしながら行くことにしている。
体力が続かないからだ。
「…………」
「疲れたか?」
《死神》か……。
散歩は終わったらしい。
俺は、休憩のついでに、さっきのことについて訊ねてみることにした。
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