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だが、懐かしく感じるのは何故だ……?
「それは、お前がここに来たことがあるからだ」
「なんのことだ!?」
「おっと…スマン。お前じゃなくて、別の世界の《お前》だった」
……………………………は?
「まぁまぁ、そんな面倒臭い話は置いといて……。取り敢えず、今、お前には選択肢が手元にある状態だ。
薬を受け取るか、受け取らないか。
受け取らないならば、この先ずっと1人で今までと同じようにペルソナを抱えたまま過ごす。いつかは、またシャドウを追い回す生活に戻る」
「何ッ!?」
「受け取るならば、ペルソナの力を抑えて過ごす。タカヤ達と過ごす機会が多くなるだろう。
代償として、お前の寿命を1年分持って行かれることになる」
「ちょっと待て!
テメェは何を言ってんだ?!」
予言者の真似事かとも思ったが、これは違う………!
今までとは全く違う雰囲気に圧倒される。……気を抜けば飲まれちまう!
《死神》は、真っ黒の眼を俺に向ける。
それだけの動作に心臓が跳ね上がった。
「オレはココの住人。狭間のある《世界》を行き来する存在。
オレの役割はいくつかあるが、これもその1つ。
選ばれた者に《選択肢》を与えること。
そして、その結果を見届けること」
「お、俺は…………」
俺は選んだ。
薬を受け取ることを―――。
それが、俺の命を削ると分かっていても…………“あのこと”を忘れられる口実になるなら構わなかった。
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