異世界に降り立ちました

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え?えぇぇ? 狼が…! 「狼が喋ったぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」 何だコレ狼が人の言葉を介して…っていい加減やめないと。 異世界に来た初っ端から、キャパシティがきついよ。何はともあれとりあえず。 「あ、あのぅ…、何ですかね? ボクに何か用なのかな?」 聞いてみる。言葉が通じるなら大丈夫なはず。 『何ですかね、って…。寧ろ此方が聞きたいですよ。貴女は何ですか?』 「人間です。一応」 『一応って? それに、先程のを見せられたら人だとは思えないわ…』 なんですと! 失礼な。 「失礼な狼だね。見た目はきちんと人間だよ?」 『…ではその尋常ならざる体力と、身体能力は何です?』 あれ、軽くスルーされた。涙が出てきそうだよ。 『涙目は可愛いらしいものですが、泣いてないで答えて下さいな…』 遂には呆れられちゃった。そろそろきちんと答えよう。 「そのまま、ボクの身体能力だよ。……確かに人とはとんでもなくかけ離れているけどね」
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