序章

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*** ここ数年で、俺たちの遊びはがらっと変わった。 メンコやトランプはトレーディングカードゲームに、野球やサッカーなどのスポーツはテレビゲームに、変わる。 時代によって、科学的進歩によって俺達の遊びは変化した。 それは進歩したというのだろうか、だがある意味退化したといえるだろうな。 伝統的な、原始的な遊びはなくなり、画期的な遊び――テレビゲームが今、子供達の注目の的となっているのがこの俺達の生きる時代なのだ。 だがゲームに魅了されるのは、子供だけではない。 大人だって発売日前日から長蛇の列に並んでまで手に入れようとするのだ。 俺は、長蛇の列には並ぶ気はこれっぽっちもないが、俺だって一人の人間であり、一人の子供だ、もちろん手に入れたい。 ゲームにも種類がある。 育てて楽しむRPG、多彩なシステムで構成されたシュミレーション、恋愛、レース、アクション、シューティングなどその数は単一ではない。 特に有名なのが、自らに見立てた分身(アバター)を育てて、敵を薙ぎ倒すRPG《ロールプレイングゲーム》である。 一人でひたすら極めてもよし、友達を誘って協力プレイをするのもよしな友達ゲームにもなるという優れた性質をもつ。 もちろん俺―日暮飛鳥(ひぐらしあすか)もRPGは大好きだ。 何と言っても現実(リアル)では味わえない爽快感や疾走感に加えハラハラドキドキといった胸の高鳴りなどを感じることができるのがゲームの楽しい点だ。
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