誓いの小太刀

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「そのくらいにしたらどうだ?」 その声に男達は後ろを振り向く。 智也も必死に目を開いて、その視線の先を見た。 するとそこには、やはりあの青年がいた。 「何だお前!」 他の男達が刀を抜き、青年に近づく。 青年は顔色ひとつ変えず男達を見て言った。 「子供相手に多人数とは、お前たち、藩士ではないな。」 「俺たちを疑ってるのか?」 「そうだとしたら、どうする?」 頭にきた男たちは、青年に刃を振るった。だが、青年はそれを軽くかわした。そして、男たちの腹に峰打ちをくらわせる。 「ひぃっ!わかった!この餓鬼にはもうなにもしねーよ!」 力の差を知らされた男たちは逃げていった。 「大丈夫か?立てるか?」 稀恭は智也に声をかけた。 「はい。なんとか。」 少し咳をしながら差しのべられた青年の手をつかむ。 「ありがとうございます」と言おうとした時だった。不意に目の前に影が移る。 「バカめ!油断したな!」 隙をつこうと男が青年の背後を取る。 後ろを振り向かない青年。気づいていないのだろうか? 殺されてしまうと思った瞬間、智也の体は二人の間に立ちはだかった。
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