月陽灯

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もう日本は梅雨入りをしたみたいだった。 だいたい6月前後あたりで雨が降り続く何日か間を人々はみな梅雨と呼んでいる。 そしてこの季節でもリア充ども…いやリア充というのは単に彼氏彼女がいるからリア充ではない。勘違いしないでもらいたい。 リア充というのは青春を謳歌しているやつのことをいうので、単に彼氏彼女がいるだけでは青春しているとは言い難い。 そして俺はリア充からカップルという言葉に変えることにした。 この季節でもカップル達は冷めることはなくイチャイチャとすることだろう。 晴れている時は、ペチャクチャとなにやら今後の予定や、他愛のない話などをしながら手を繋ぎながら登下校。 雨の日は、二人くっつきながら…ときには二人乗りをしながら傘をさして登下校。所謂、相合い傘である。 ところによっては…クルマ? あれはなんだろうか…暦の上では夏だと言うのにカーディガンを着用してセーラー服を着ている。 暑くないのか? あとあれはリムジン…ではないよな。 なんだか高級車のような黒い車で帰っていく少女もいた。 ま、俺には彼女はもちろんのこと友達もいらねえから関係のない話なんだが。 つか…あれ? 今朝テレビで「本日は夕方から雨…ところによっては雷を伴うでしょう♪」と超モテなさそうなお天気お姉さんが和気藹々と今日のお天気を告げていたので傘を置いといたはずなんだが…無くなっている。 名前も大きく「月陽灯」と書いて誰にもとられないように計算された場所へ計算された角度で置いたはずなのだが…おかしい。 俺のモノと好き好んで盗ってはぁはぁする変態などこの学校にはいないはずだしいてほしくないのだが…。 仕方ない…濡れて帰ろう。 下駄箱を出てすぐに屋根があり…その屋根の下には運動部が疲れた時用に飲める水がでる水道が設けられている。 なぜか敷地内のいたるところに設置されていてこの学校は熱中症や脱水症状には困らないらしい。
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