序章

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―王とはなんであるか。― さっき読んでいたライトノベルの一節である。 どんな人の上に立つ者でも、共通点が一つだけある。 それはなにか。 例えば、社長。 一言に社長と言っても大きく二種類存在する。 まず一つは、会社を興した本人。 彼は自らの資産を投じ、または借金をして会社を立ち上げた富豪タイプ。 二つは平社員からコツコツと努力を重ね、やっとの思いで、社長にはい上がった下剋上タイプ。 以上の二つを社長と呼ぶ。 社長という身分は、やはりすべて社員の頂点に君臨しているだけあって…故に「孤独」である。 人の上に立っているので下の者は「尊敬」など良い風に思うやつもいれば、逆に「嫉妬」など悪い風におもうやつもいる。 実際前者の数は少なく、ある程度実績をあげないと尊敬など程遠い言葉となるわけだ。 一方、後者のほうは世の中にわんさかいるので大量生産されているので需要には困らないはずだ。 「あんな社長は下ろすべきだ」や「なんであんな社長の下で働いているのだろう」なんてのは誰だって一度は、思うことだ。 だが発言権はあっても勇気がないだけだ。 言ったところで圧力とかそういうのである日突然事故に見せ掛けた被害を受けるのだ。 だから社長は社内にも企業だけではなく、社員までも敵に回しているのだ。 それは内閣総理大臣でもおなじこと。 他政党の他にも同閣僚にも敵がいるのだ。 つまり俺が冒頭の問いについて出した答え…それは ―「人の上に立つ者…つまり王とは孤独【ぼっち】である」― かくいう俺もぼっちである。 今この瞬間にも俺は学内…しかも授業中でありながら堂々と読書に没頭している。 だが周りはあたかも俺が今日に限らず休み…いや良く言い過ぎたな。げふんげふん、俺がもとより存在しないかのように時間が過ぎてゆく。 いやぁこういう時にぼっちって便利だわ。 ボタン一つで切り替えられないかな。 トランス!ロンリネス! やべえ…我ながらカッコイイわ。 だがノートをⅠページも書いていない事に数分前に気づいたが、「あ、僕のでよかったら見せてあげるよ!どうぞ使って」と¥0スマイル付きでノートを貸してくれる天使など俺には存在するわけもないことに気づいたので諦めて読書している。
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