月陽灯

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しかし今はまだ授業中だ。 ここで笑い出すとそれこそ変人扱いである。 かといって我慢してニヤつくというのも変人を通り越して変態にランクインするのではないか。 だが我慢できないものは仕方ないだろう? オナラであろうと排便だろうと我慢してはいけないのだ。体に悪いからな。 だからといって大笑いをして授業の進行を妨げるのは言語道断だろう。 ぼっちは他人に迷惑をかけてはならないのだ決して。 いやあでもこのシーンは面白いわ。 ある日、少年は18歳にも関わらず声変わりがしない事にコンプレックスを抱えていた。 見た目も期待を裏切らない小さな体つきをしていた。 少年はいくら月日がたっても声を変えても幼い声になり全く男らしい低い重い声にならないのが悩みだった。 しかし彼は他人に悟られぬよう笑顔を振り撒き、どんな話題にも気にせず喋り、青春をしているように見せかけた。 そして彼にも思いを寄せる女の子ができた。 だが彼女は容姿、声、性格とも大人びていて少年には不釣り合いだった。 しかし彼にはそんなことどうでもよかった。 こんなに好きなのだからこれ以上のハードルはないと…そう確信していた。 ある日彼はこの思いを告げようと、深夜彼女をとある人気のない屋上へと連れ出した。 彼女はぽかんとした表情で言われるがまま、気のむくまま、連れ出された。 そして屋上で彼女と二人っきりとなった。 夏の夜の冷たい風が二人の間を駆け抜ける。 遠くでアブラセミの泣き声が聞こえる。 上をみれば辺り一面満天の星空。 そして屋上のまわりはビルや車が照らし出す明かりで彩られた道路。 少年は完璧だと確信して いよいよその時がきた。
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