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「君に話しておきたい事があるんだけど…いいかな?」
少年は少し俯きながら緊張している様子を演出する。
まさかのマニュアル通りに彼女はニコッと笑いながら首を傾げて
「何?」
と可愛いげにそう告げた。
冷たい風のせいで少年には声が高めに聞こえた。
同時に、熱い何かが溢れて来る。
自分の身体のどこからか溢れてくる。
これはなんだろう…と少年は溢れだす何かを抱えながら、お決まりの台詞を口にした。
「俺、あんたの事好きだ」
束の間の沈黙。
しかし少年にはものすごく長く感じた。
その言葉はあまりにも短くはかないものだったが
自分の中に溢れていた何かを、火炎放射かなにかみたいに吐き出したみたいだった。
少年は彼女の答えを待った。
しばしの沈黙のあと風に乗って彼女から返ってきた答え…それは少年にとってひどく悲惨で立ち直れない程の恐怖だった。
「私、ショタって大嫌いなんだよね!!」
と彼女は少年を嘲笑うかのように高笑いしたかと思えば、冷たくあたかも下等な生物でも見るかのような目線で少年を罵倒した。
「私ショタって気持ち悪いと思のだけれど。そこのところどうお考えかしら。まあそんなことを聞いたところで私に利益なんてあるわけもないのだけれどね。」
少年は酷く精神を傷つけられ、その場に崩れるように座りこんだ。
まだ彼女の罵倒は終わらない。
「あらあなた。私があなたみたいなショタに告白されて高騰して赤面してきゃーとなるとでも思っていたのかしら。それとも何かのアニメみたいな展開を望んでいたのかしら。」
彼女はブツブツ吐き捨てるように、しかし攻撃的なまるでiCBMのように狙いをつけてくる言葉に少年の心は壊されていく。
だんだんモノからカケラへと…カケラから無へと。
散々言った挙げ句、最後に止めの一撃ともいえる一言を少年に言い放った。
「私をどこかの小説のキャラと一緒にしないでくれるかしら。」
そう言って一発と言わず数発蹴りを入れ彼女は去って言った。
彼女の表情は目はしんでいても口元は笑っていた。
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