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 ぼくの大学から実家までは車で四時間はかかる。  うっすらと白い雪の積もった高速道路を走る朱子の車の窓からは、ちらちらと何度目かわからない降雪が確認できる。  寒いわけだ。 「で?今回の仕事って、すぐ終わるのか?北海道まで行くみたいだけどさ」 「私がこれまで幕堂君と一緒に携わった仕事で最短のものはひと月だったけれど、今回はそれを更新しそうな勢いかもしれないね」 「勢いじゃ困る。更新してくれないと」 「大学生の休みは長いんだろう。それならひと月やふた月いいじゃないか」 「あのなあ。冬休みはそうも言っていられないんだよ。正月をはさんで一月の十四日くらいまでしかないんだ」 「十分ではないか。大凡ひと月はある」 「夏休み一ヶ月半を全部お前に付き合って消化した時も言ったけれど、ぼくにも自由時間が欲しいんだ!休みだぞ!?ぼく休んでねえじゃん!お前のとこで働きづくしじゃん!おい!」 「バイト代は弾むといっても?」 「……いくら?」 「ふっ……。結局お金なのか、幕堂君……」 「うるせえ!時間奪われておいてお金もくれないんじゃあやってられないってだけだ!」 「私と共に過ごした時間は何にも代え難いものだろうね?」 「降りるぞ」 「ええーっ!?違うの!?」 「違う。世界はそんなにピンク色じゃない」 「幼馴染って、そうか……。そんなに薄い記憶なのだね……」 「俯いて泣くな!運転中だろうが!」
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