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中間テストが終わった。
勿論そこにはテスト期間が終了したという意味合いのみで、採点前からテスト内容が大凡分かってしまったという意味合いは含まれない。
勉強は昔から出来たのだ、ぼくは。
それに天才朱子の協力もあれば、ロバだって単位くらいは取得出来るだろう。
いや、言いすぎた。
ロバは無理だ。
ある程度あいつの教鞭を理解するにはそれなりの経験がいるし、そもそも朱子は高卒なのに大学の数学がわかるという稀有な人間だからな。
言い回しが難解だというくらい想像しておいてくれないと無理なのだ。
無理無理。
絶対無理。
別にあいつと幼馴染であることを誇ろうとは思わないけど、それでも、ぼくレベルじゃないと朱子と普通に渡り合うのは無理だろうな。
ぼくはあいつを異常だとは思わないし、普通だとは思うけれど、その普通が一般のそれとは少しばかり広義が違うんだってことに自覚的なのだ。
だから、テスト終わりで寮に帰ってあっという間に寝巻きの子汚いスウェットに着替えて布団に入り、そうしてテレビの電源を入れたあたりで朱子から「仕事があるので手伝い給え」というメールが来ても、ため息一つで済んだ。
日常さ。
日常だ。
こんなことにうんざりするようじゃあ、ぼくはまだ幼馴染とは言えまい。
言えてもかなり初期の幼馴染だ。
幼馴染レベル1。
朱子と付き合うには幼馴染レベル70は欲しいからな。
奇天烈が奇天烈じゃなくなるくらいには、ならないとさ。
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