第五章 ルービックキューブ

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  「それを、あなたは記事にするつもりだったんですね」 「はい。その為の準備をし、真美からの連絡を待っていました」  しかし、その連絡は来なかった。  代わりにに、真美の死亡の連絡が彼女の両親から来てしまう。 「何故、あなたは事件当日に西署に来た時。その話しをしなかったのですか?」 「思ったんです。犯人は、真美の会社の人間で口封じの為に、真美を殺したんだろうって。だったら、自分でその正体を暴いて記事にしようと」 「それは、スクープの為?」 「違いますよ。真美の仇討ちの為です」  だが、実際に取材してみても顧客情報の漏洩の事実は出ず、八方塞がりとなって警察に情報提供した。随分と、諦めが早い。  だが、その判断は間違っていない。  新聞記者であれば、一般の人間よりも情報力が高いのは確か。  それでも、捜査権を持たない人間にとって事件捜査をするには、どうしても限界がある。
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