第五章 ルービックキューブ

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  「えぇ、勿論です。それで、真美さんは情報漏洩について、他に何か言ってませんでしたか。例えば、誰がやっていただとか」  そこが、重要なのだ。  推測や仮説であっても、真美がその犯人を絞っていたのなら。その人物に対し、事情聴取をかけたいところ。  場合によっては、任意同行をかけて署で話しを聞いてもいい。  その人物は、重要参考人と見ていいだろう。 「すいません。それについては、本当に何も……」 「そうでしょうな。では、人物で無くともいいので、他に気になる事は言ってませんでしたか」  梶原は、首を横に振った。  もしも、そうした人物やそれに準ずる話しをしていたなら。梶原は現段階で、警察に泣き付いたしなかった筈。  自分で取材し、犯人と警察を糾弾した筈である。  真美からのメールは、証拠品として北方の携帯電話に転送させ。梶原は、お役御免となって帰って行った。
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