第五章 ルービックキューブ

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   この事実をどう見るか。  スマイル一番生命の顧客情報漏洩の事実は、これにより存在すると判断して良さそうである。ただし、会社単位では無く個人単位での事。それが沖なのかは、判断材料が少ない為に何とも言えない。  そして、殺人との関連が見えない以上。刑事課としては、沖を追求するのに二の足を踏んでしまう。そもそも、それは柿崎が判断する事である。  関連は見えていないが、少々強引でも無関係では無いと、沖にぶつけてみたい気持ちがあった。 「北さん。どう思いますか」 「頼りなくはあるが、これは俺たちが欲しかった情報ではある。後は柿崎警視が、沖を追求する許可を出してくれればいいのだがな」 「そうですね。沖の昨日の様子からしたら、追い込めばボロを出すと思うんですよね」 「沖が、そんなタマだったらいいんだがな」  そこで、一つ思い出した事があった。昨日、沖に付けた尾行の捜査員からの報告。
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