第五章 ルービックキューブ

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             2    酒出、酒口、松本の三人は、富士見町にある定食屋にいた。  時間は、午前十時過ぎ。  事件中の彼らにしては、随分と早い時間の活動ではある。しかしながら、それは酒出が言い出した事であり。酒口と松本は、従うしかないのである。  そうは言っても、昨夜は酒出以外は痛飲する事なく夜を過ごした。徹夜では無いものの、睡眠不足が顔に出ている。  昨夜から今朝にかけて、酒出は事件を最初から見直していた。当然、二人もそれに付き合っている。  ちなみに、昨夜はいつもの【小路】で飲んでいた。  そんな酒出の前には、ミックスフライ定食がライス大盛りで置かれている。二人の前には、朝定食が運ばれてきた。  他に、客の姿は一つも無い。  雑居ビルの地下、看板らしい看板も出さず、年老いたオヤジが一人で切り盛りする店。店構えからして、長年営業していそうであった。
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