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だが、客の入り具合からして繁盛しているようには思えない。ただ、料理が驚くほど美味い。
どうやって見付けてくるのか、酒出はこうした店を何軒も知っているようだ。
海老フライ。
帆立フライ。
ピーマンの肉詰めフライ。
ハムカツ。
ウズラの卵フライ。
確かに、ミックスフライではある。だが、少々珍しいラインナップの定食である。一方で、朝定食もボリュームのある一品であった。
焼き鮭。
目玉焼きに千切りキャベツ。
冷や奴。
納豆。
焼き海苔。
香の物。
これに、どんぶり飯と味噌汁が付く。流石に松本は、どんぶり飯を半分の量にしてもらった。
酒出は、帆立フライを口にしながら昨夜に振り返った事を、もう一度頭の中に思い浮かべてみる。小路のカウンターで、酒出は二人に問いかけた。
「この事件の始まりは何だ?」
「曽根崎 真美さんの殺害です」
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