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そして、いよいよ許可を得て推理を披露する時が来た。喜び勇んだ酒口は、ここぞとばかりに語り出す。
「僕は、やっぱり。水沢 奈緒の双子という部分を、見逃しちゃいけないと思うんです」
「お前は、まだそんな事を言ってやがるのかよ」
「いいから、聞いて下さいよ。犯人は、彼女が双子だという事実に着目したと思うんです」
「それで?」
「警察が、双子という事実に翻弄される事を計算し。奈緒さんの姿で、殺害する事にしたんです」
「だから?」
「犯人は、曽根崎 真美さんと水沢 奈緒さんに近しい人物です」
酒口は、きっぱりと言い切った。
しかも、そこまで言っておきながら犯人を特定しない。それでありながら、推理は完結だという顔をしている。大体、水沢 奈緒に近しい人物だなど。今更言われなくても、状況からして分かる事。
少なくとも、同じビルに働いていれば、奈緒の存在は知っていて不思議は無い。
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