第五章 ルービックキューブ

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   これまでも見え隠れしていた話しが、いよいよ事件との関連を見せた。  曽根崎 真美は、漏洩問題について思い悩んでいた。それが、事件発生の一週間前に彼女が見せていた。そして、異変の正体であったのだ。  殺人事件と漏洩問題。  漏洩問題と沖 公一郎。  沖 公一郎の愛人問題。  その関連性が、これまでよりも明確になってきた。捜査本部としては、この事実を持って沖に話しを聞くか検討中だとか。  ただ、話しを聞くだけならいい。  だが、これで沖に殺人への関与を突き付けるには、いささか関連性が弱い。何より、殺人と情報漏洩の関連が見えていない。 「曽根崎くんが、何をもって悩んでいたか知りません。ですが、当社に情報漏洩の事実はありません。何より、それと殺人事件と何の関係があるんですか?」  そう言われれば、何も言い返す材料が無い。肝心かなめの繋がりは、まだ見えていないのだ。
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