第五章 ルービックキューブ

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   酒出は、それすらも聞き流し話しを進める。それらのヤジをいちいち聞いていたら、話しなど進みはしないからだ。 「これは、あくまでも俺の推測だからな」  それでも、酒出は多少の気を使いそんな事を言ってから、事件の筋書きを語り出した。  女は、曽根崎 真美と仲良くしていた。  会社は違えど同じビルに務めるものとして、優秀な彼女を誇らしく思ったりもした。このままの関係が、ずっと続くと思っていた。  女の友情は、案外簡単な事で崩れたりする。その最大の理由をあげるとすれば、それは男という事になるだろうか。勿論、金銭の場合もある。仕事上などの立場から、友情にヒビが入る事もあるだろう。  だがやはり、男関係が多いと言える。  二人の女の片方に男が出来て、女同士の友人関係が疎遠になったというもの。一人の男性を取り合って、友情が壊れる事もある。  二人には、互いに彼氏がいた。
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